「英語教室におまかせ」では英語を話せるようにならない?
投稿日:2022年1月27日
Hi everyone! ナマケモノ先生です。
皆さんはおうちでどのような英語の取り組みをされていますか?
英語の宿題は必ずやらせているけど、それ以外にはたまに英語の番組を見せる程度の方がほとんどかと思います。
長年英語教室に通わせているし、続ければそのうち英語を話すようになる、と思っている方もいるかもしれません。
これを言うのはとても心が痛いのですが、残念ながらそれでは英語はいつまでも話せるようになりません。 (T_T)
少し長くなりますが以下にわかりやすく説明しますので、どうぞお付き合いくださいね。
アメリカ国防総省の付属機関FSI(Foreign Service Institute)がまとめた「語学習得に必要な時間数」というデータがあります。
これは英語母語話者が日常生活に差し支えないレベルの外国語を習得するのに必要な時間を示すもので、日本語は「英語から最もかけ離れた言語構造・文化構造を持つ言語」のカテゴリーに位置づけられています。
(※ちなみに韓国語、北京語、アラビア語なども同じグループです)
このカテゴリーの言葉を習得するには約2,400~2760時間かかるとされているのですが、このデータをもとに
英語話者の日本語習得時間 = 日本語話者の英語習得時間
という認識が広がり、英語界隈ではいろんな場面でこの数字が使われるようになりました。
ただし、この数字は正確ではないと私は思います。なぜなら、
①この研究対象の学生にはCIA候補や外交官候補など、一般的な学習者よりもポテンシャルが高い人たちが多く含まれている
②「教室内での学習時間」しか加味されておらず、宿題などの教室外の学習時間は全くカウントされていない
③学習者本人が大人であり、自らの意思で言語習得に取り組んでいる
からです。
さて、英語話者が日本語を学ぶことと日本語話者が英語を学ぶことを同じとみていいかどうかという議論もありますが、仮に同じような学習スタイルだったとして上に挙げたような点を考慮すると、一般的な日本人のお子さんが将来ビジネスで使えるレベルの英語力に到達するまでに、2,500時間の2~3倍くらいの時間数は必要になるだろうと私は考えています。
2,500時間だけでも気の遠くなるような数字なのに、それよりも多い時間が必要だというのです、、
それでは、皆さんのお子さんが幼稚園とイングリッシュスクールで小学校卒業までにどのくらい学習時間を確保しているか見てみましょう。
●幼稚園3年間(イマージョン、週2回課外の場合)
ゆり:【課外】30分×週2回×42週=42時間
さくら:(【午前の活動】2時間×週5回×42週=420時間) +(【課外】40分×週2回×42週=56時間) =686時間
すみれ:(【午前の活動】2時間×週5回×42週=420時間) + (【課外】40分×週2回×42週=56時間) = 686時間
合計:1,414時間
●小学校6年間(イマージョンの場合)
(【平日】50分×2コマ×42週=70時間)+(【土曜】50分×2コマ×36週=60時間)=130時間×6年間=780時間
教室内での学習時間だけを数えると小学校卒業までに2,194時間。ほとんどの皆さんが小学校の5,6年生から週1回になったり、受験でやめたりすることを考えると、この時間に到達するお子さん自体少ないのが現状です。
でも、「使える英語力」って具体的にどのレベルなの?と疑問に思う方もいらっしゃると思います。
次回の記事ではどの年齢でどのレベルを目標にするのか、具体的にお話していきます。
See you soon! \^^/